2011年8月4日木曜日

軽井沢の詩人

星の温泉に向かう途中、こんな碑が立っておりました。


北原白秋の落葉松詩の解説

落葉松の石碑

からまつの林を過ぎて、
からまつをしみじみと見き。
からまつはさびしかりけり。
たびゆくはさびしかりけり。


からまつの林を出でて、
からまつの林に入りぬ。
からまつの林に入りて、
また細く道はつづけり。

からまつの林の奥も
わが通る道はありけり。
霧雨のかかる道なり。
山風のかよふ道なり。

からまつの林の奥も
わが通る道はありけり。
霧雨のかかる道なり。
山風のかよふ道なり。

からまつの林を過ぎて、
ゆゑしらず歩みひそめつ。
からまつはさびしかりけり、
からまつとささやきにけり。

からまつの林を出でて、
浅間嶺にけぶり立つ見つ。
浅間嶺にけぶり立つ見つ。
からまつのまたそのうへに。

からまつの林の雨は
さびしけどいよよしづけし。
かんこ鳥鳴けるのみなる。
からまつの濡るるのみなる。


世の中よ、あはれなりけり。
常なれどうれしかりけり。
山川に山がはの音、
からまつにからまつのかぜ。


落葉松の木のささやきが聞こえて来そうな詩です。
人生を落葉松林と重ね合わせたような詩ですね。
耳を澄ますと、その音色は歌にも言葉にも聞こえてくる。
風に誘われて歌い出す落葉松の林。
そこに小川のせせらぎの音色と鳥の声。悲しくも楽しくも感じます。
いにしえの軽井沢も今の軽井沢も変わらず私たちに力をくれる。そんな魅力あるところなのでしょうね!

落葉松は針葉樹林ですが、日本で唯一落葉する針葉樹だそうです。
そんな落葉松をずっと見ていたくなる軽井沢が大好きな私なのでした。

3 件のコメント:

banbi さんのコメント...

ポエムなブログだわ~!
歴史ある軽井沢、奥深いですね。

匿名 さんのコメント...

ほんと!こんなに長い詩だとは知らなかったです。何事もじっくり観察すると知らないことだらけなのですな~^^;
oggi

もたい さんのコメント...

私が半世紀以上も昔に卒園した幼稚園は「お十七夜幼稚園」
北原白秋さんが命名したそうな。
40年以上前にアルバイトしてた出版社は北原さんの
親戚だった。柳川の人なのよね。静岡に縁の深い人なの。